切り傷、擦り傷は日常よく遭遇しますが、そのケアの方法に対しては誤解が多いようです。消毒液を毎日重ね塗りするだけで、厚いかさぶたを作ると、かさぶたの奥に血の固まりを作ったり、傷が化膿したりします。毎日消毒しているのに膿が出てなかなか治らず、汚い傷になったという経験をお持ちの人も多いのではないでしょうか。
よりきれいに傷を治す為には、傷を負った直後に水道水で傷口についた砂や泥をよく洗い流すことが重要です。砂や泥が残ると「外傷性刺青」(いれずみ)になり、後々色が取れなくなります。深い傷や、砂などが自分で取りきれない場合は病院へ行き、麻酔をしてきれいに処置してもらうことが大切です。また、洗浄は傷の中の細菌数を減らすので、化膿の予防にもなります。深い傷の場合は、けがをしてから6~8時間以内に傷を洗い、損傷のひどい部分や汚いところを取り除いてから縫合すれば化膿する可能性は少なくなります。縫合した創も毎日洗うことをお勧めします。
毎日の消毒では、処置前にまず傷を洗います。入浴する時には、お風呂を出る前に傷を石けんでよく洗い、シャワーで十分に流すのがいいでしょう。こうすると傷の上にある細菌を大量に含むタンパクの膜を取り除くことが出来ます。その後は市販の清浄綿でぬぐい、絆創膏などで傷を保護しましょう。
最近、傷を湿潤に保つような被覆剤や、ラップを使って「乾かさない治療」が注目されています。しかし、どんな傷にも使える訳ではないので注意が必要です。化膿していない「きれいな傷」で初めて効果が期待できますが、膿が出ているような「汚い傷」ではかえって細菌の繁殖を助けてしまうので、傷は悪化します。
傷が治り、残った傷跡は紫外線に当たると黒く「しみ」になるので、傷の赤みが取れるまでは日焼け対策が必要です。また、縫合した傷は抜糸後に傷の幅が広がったり、盛り上がった傷跡(肥厚性瘢痕)となる場合があるので、予防のために数ヶ月間、縫い跡の皮膚を寄せるようにメディカルテープやサージカルテープで張り付けます。
傷に対する心配や、よりきれいに治したい時には、形成外科の受診をお勧めします。

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