職場復帰のリハビリテーション

労災病院による職場復帰支援

労災病院の役割として、勤労者の早期職場復帰及び健康確保の推進が挙げられます。
当部門は、勤労者医療の中核的役割を担うため、働く人々の職業生活を医療の面から支えるという理念の下、 ①予防から治療、リハビリテーション、職場復帰に至る一貫した高度・専門的医療の提供、及び ②職場における健康確保のための活動への支援を行っています。
当部門でもその一環とし、積極的に職場復帰支援に臨んでいます。したがって、何らかの形で就労している患者さんから仕事の内容など詳細に情報収集し、職場復帰につながるリハビリテーションを実施します。
復職に関しての不安がある方は、お気軽にご相談ください。

職場復帰のリハビリテーションの実際

病気やけがで復職することが困難な方は数多くいらっしゃいます。また、仕事をあきらめざるを得ない方もいらっしゃいます。
勤労者にとって「仕事をする」ことは当たり前のようなことですが、障害を持つとそれが高い目標となります。どのような状況で復職に臨むかを見極めることが難しく、加えて仕事の内容や就業形態も様々であり詳細な評価を必要とします。

復職のためのリハビリテーションは、復職希望者に対して仕事の特性に応じた種々の評価を行い、通勤や仕事内容を加味したプログラムを構築しリハビリを行います。例えば、体力向上のためのトレーニングをはじめ、パソコン作業、機械操作、事務作業、重量物運搬といった作業練習に加え、脳卒中などの後遺症である高次脳機能障害を有すれば思考過程を必要とした作業など、様々なことを行っています。
また、職場復帰が場合によって困難な方には、職場環境調整や業務内容の変更指導など代替手段の相談も行い、職場との調整も行うこともあります。

職場復帰のリハビリの実際

職場復帰を果たした事例

「歯科医として職場復帰したAさん」の場合

Aさんは、55歳のときに脳梗塞で当院に入院しました。当時、歯科医院を経営し歯科医師として活躍していたバリバリの働き盛りでの発症でした。手足のマヒと高次脳機能障害が認められ 「歩くことができない」「転びそうになる」 など危険なことも多々ありました。すぐに理学療法・作業療法・言語療法とリハビリスタートとなりましたが、このままどうなるのか不安でいっぱいだったとのことです。

リハビリではAさんの身体機能の評価に加え、仕事の内容・仕事に戻る意思など詳細に評価しました。そしてAさんは「仕事に戻りたい」と明確に意思表示していました。しかし、急性期病院の当院のみでは仕事復帰にまでは至れず、県内の回復期リハビリテーション病院に移り継続してリハビリをおこない自宅に帰ることになりました。

3か月間のリハビリを経たのち無事に自宅退院となったAさん。しかし、自宅で生活は送れるものの、入院した当初の「仕事に戻りたい」という気持ちがあるにもかかわらず、かなっていませんでした。

その後、当院 (自宅の近くで通院しやすい) で外来リハビリテーションを継続することになり、職場復帰ための再評価を行いました。この時、仕事に戻れない原因は、①通勤や一日中働き続けるための体力不足、②後遺症により手先の細かな動きが難しいことが挙げられました。外来リハビリテーションは体力強化に加え、通院を利用し公共交通機関や屋外の移動手段になれること。細かな手先の運動のためのプラグラムおよび業務内容の見直しの実施でした。その結果、Aさんは細かな危険を伴う作業は他のスタッフの援助を受けることにし、2カ月後無事に歯科医師として復帰を成し遂げました。

大事なことは2点、Aさん自身があきらめない心を持っていたことと、それを支える環境があったことです。どちらが欠けても復職という大きな目標は、障害持ったAさんにとって難しいものであったはずでした。幸いにも業務内容の調整のみで職場復帰したAさん。今も現役で頑張っています。これからも少しでもAさんのような方を支援していければと思います。



関東労災病院

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