形成外科_治療について

炭酸ガス(CO2)レーザーの治療について

  • 炭酸ガスレーザーは、波長10,600nmの遠赤外線で、水分に高い吸収を示します。細胞内の水と反応して熱エネルギーが発生し、蒸散、蒸発により浅く削ることや深く掘ること、切開することができます。電気メスより熱による障害が少なく、金属メスより出血も少なく創傷治癒が早いのが特徴です。
  • 当院で使用するルミナス CO2レーザー30Cは、スキャナーを利用し照射範囲、照射力がコンピューター制御されパルス一発の到達深度は全ての組織において0.05mmの目に見える範囲に調節でき安全です。

炭酸ガスレーザー装置

対象疾患: 黒子(色素性母斑)、脂漏性角化症、老人性色素斑、表皮母斑、汗管腫、アクロコルドン、毛細血管拡張症、老人性血管腫、尋常性疣贅など
禁 忌: 皮膚癌、前癌状態、極端に日焼けした肌、治療後日焼けする可能性が高い場合など
※悪性の可能性がある場合は、レーザー前に切除検査する場合があります。

術 前

  • 治療前に日焼けをしないで下さい。
  • 当日の食事制限、飲水制限はありません。
  • 照射前に顔全体の化粧を落としてください。
  • 小さなできものでは、麻酔をしないで照射します。
  • 深いもの、大きいものに対しては、局所麻酔の注射やテープ麻酔、麻酔クリーム(院内製剤)を使用します。テープ、クリームは照射1時間前に外用します。
  • 麻酔の副作用としては、発赤、かゆみ、アレルギー、ショックなどを起こす可能性があります。

術 中

  • 眼に光線が入ると大変危険ですので、照射中は眼を閉じて下さい。術中は、ガーゼの保護や、アイマスク、保護用コンタクトレンズなどを使用します。
  • 深いできものに対して無理に照射すると肥厚性瘢痕や目立つ傷跡になりますので、2回に分けて治療する場合があります。(2度目の治療は3ヶ月以上先になります。)

術 後

  • 炭酸ガスレーザー照射後は、やけどによる浅い皮膚潰瘍の状態です。皮膚が再生し、傷が治るまでは、軟膏塗布をしなければなりません。術翌日より洗顔・入浴し(清浄綿で消毒)、3日間リンデロンVG軟膏を外用、4日目以降はゲンタシン軟膏を皮膚が再生するまで外用して下さい。
  • 1~2週間で皮膚は再生しますが(深い病変を治療した場合、再生まで時間がかかります。)、再生後紅斑や色素沈着を起こします。照射後の紅斑や色素沈着は、2~3ヶ月で自然消退します。
  • 色素沈着が増悪したり、長期化したりしないよう日焼け止めクリームや肌色テープなどを使用して日焼け予防に努めて下さい。症状により美白剤などを使用する場合もあります。
  • 再生した皮膚は薄く、弱いので日焼け止めクリームや化粧などでかぶれないよう気をつけて下さい。(異常を認めたら中止し、医師に相談してください。)
  • 日焼け止めクリームは、紫外線吸収剤を含まないもの(ノンケミカル)でSPF値30以上のものを選択して下さい。化粧、日焼け止めクリームは、肌色テープの上からするとかぶれにくいです。
  • 疾患により、再発や数回照射しなければならないことがあります。

各 論

  • 黒子(色素性母斑):いわゆるホクロです。深い場合には、再発や治癒後陥凹する場合があります。無理に照射すると傷跡が目立つことになりますので、2度に分けて治療することがあります。2度に分けると周囲の熱損傷を減らすことができます。
  • 黒子_術前術後の図

  • 脂漏性角化症、老人性色素斑:加齢と共に生じる褐色斑です。厚さによりCO2レーザーかQ-YAGレーザーを選択します。
  • アクロコルドン:首、胸部に好発する小さなイボで、多発することがあります。
  • 尋常性疣贅:ウイルス性のイボで、液体窒素療法を選択する場合があります。
  • 毛細血管拡張症、老人性血管腫:血管性病変です。高周波メスでも治療します。
  • 汗管腫:下眼瞼に好発する多発小腫瘤です。保護コンタクトレンズを使用します。

☆ レーザー治療は、自費治療です。費用は職員にお尋ね下さい。

QスイッチNd-YAGレーザーの治療について

QスイッチNd-YAGレーザー装置
  • Nd-YAGレーザーは、波長1064nmの組織深達性の高いレーザーです。第2高波長の532nmを利用するとより表層の皮膚色素性病変に対し治療することができます。
  • Qスイッチレーザーは、極短時間レーザー光線を照射することにより、メラニン含有細胞を選択的に破壊し、発熱による周囲組織への影響を最小にします。
  • 関東労災病院で使用するパルマ社製Q-YAG5(QスイッチNd-YAGレーザー)は、波長1064/532 nm (混合波長) と1064 nm (単波長)のレーザーを選択でき、皮膚への深達性を調整することができます。
  • QスイッチNd-YAGレーザー照射により、メラニン色素が破壊され、細かい色素片になります。一時的に破壊されたメラニン色素が浮き濃く見えるときがありますが、浅い色素は痂皮と共に脱落し、深い色素は自然に吸収され消退します。(下図)
  • メラニン沈着性疾患_術前術後図

  • レーザー照射により軽いやけどを起こしますので、皮が薄くむけたり、発赤や照射後の色素沈着を起こしたりします。色素沈着は、3ヶ月程度で自然消退します。
対象疾患: メラニン沈着性疾患(老人性色素斑・しみ、雀卵斑・そばかす、脂漏性角化症、太田母斑、扁平母斑、ベッカー母斑、異所性蒙古斑、色素性母斑、遅発性太田母斑様色素斑)、外傷性刺青、刺青など
禁 忌 : 肝斑、皮膚癌、前癌状態、極端に日焼けした肌、妊婦、治療後日焼けする可能性が高い場合など
※肝斑:女性ホルモンの異常やピルの内服などが原因と言われています。両方の頬部、眉の上、下あごなどに、ぼんやりとした薄いしみが出てくるものを言います。紫外線や刺激による慢性炎症により出てくるといわれています。治療としては、日焼け予防を行い、ハイドロキノン、トレチノインの外用およびトラネキサム酸の内服治療を行います。
高出力のレーザー照射により炎症性色素沈着が長期におよび、また肝斑が増悪します。シミ、そばかすと混在する場合があり注意が必要です。

術 前

  • 治療前に日焼けをしないで下さい。
  • 当日の食事制限、飲水制限はありません。
  • 照射前に顔全体の化粧を落としてください。
  • 局所麻酔の注射やテープ麻酔、麻酔クリーム(院内製剤)を使用します。テープ、クリームは照射1時間前に外用します。
  • 麻酔の副作用としては、発赤、かゆみ、アレルギー、ショックなどを起こす可能性があります。

術 中

  • 眼に光線が入ると大変危険です。術中は、アイマスク、保護用コンタクトレンズなどで眼を遮光しますが、照射中は眼を閉じて下さい。
  • 照射時には、待ち針で軽く突つくような痛みがあります。
  • 強く照射すると色素脱失や盛り上がった傷跡(肥厚性瘢痕)や目立つ傷跡になりますので、数回に分けて治療する場合があります。(2度目の治療は3ヶ月以上先になります。)

術 後

  • Q-Nd YAGレーザー照射後は、浅いやけどの状態です。皮膚が再生し、傷が治るまでは、軟膏塗布をしなければなりません。術翌日より洗顔・入浴し(清浄綿で消毒)、3日間リンデロンVG軟膏を外用、4日目以降はゲンタシン軟膏を皮膚が再生するまで外用して下さい。
  • 1~2週間で皮膚は再生しますが(深い病変を治療した場合再生まで時間がかかります。)、再生後紅斑や色素沈着を起こします。照射後の紅斑や色素沈着は、203ヶ月で自然消退しますので、無理なケアは避けてください。
  • 色素沈着が増悪したり、長期化したりしないよう日焼け止めクリームや肌色テープなどを使用して日焼け予防に努めて下さい。症状により美白剤などを使用する場合もあります。
  • 再生した皮膚は薄く、弱いので日焼け止めクリームや化粧などでかぶれないよう気をつけて下さい。
  • 日焼け止めクリームは、紫外線吸収剤を含まないもの(ノンケミカル)でSPF値30以上のものを選択して下さい。化粧、日焼け止めクリームは、肌色テープの上からするとかぶれにくいです。
  • 疾患により、再発や数回照射しなければならないことがあります。
  • 部位により脱毛する場合があります。

☆ レーザー治療は、自費治療です。費用は職員にお尋ね下さい。

各 論

  • 老人性色素斑・しみ:皮膚の代謝が衰えてくると、紫外線や、物理的な刺激などで増えた、メラニン色素が排泄できなくなり、シミとして定着してしまいます。光老化による一症状で若年者に見られることもあります。前癌症である日光角化症や悪性黒子と鑑別のため一部切除して病理組織検査をすることがあります。
  • 雀卵斑・そばかす:遺伝的な要素の多いもので、3歳ごろからみられますが、思春期に著しくなります。また、春から夏にかけて目立つようになり、秋から冬にかけて目立たなくなります。頬を中心に日の当たりやすい場所に小さな色素班が、ぱらぱら出てきます。
  • 脂漏性角化症:皮膚の老化現象のひとつで、色は褐色調ですが、健康な皮膚に近い色調のものから黒色調のものまでさまざまな濃さのものがあります。大きさは数mmから2~3cmくらいで、わずかに盛り上がるものから突出したしこりになるものまであります。Q-Nd YAGレーザーの他にCO2レーザーで治療することがあります。
  • 太田母斑:眼の周囲・頬部に青色からやや褐色の小さい点が集まって斑をつくります。出生直後から目立つ場合と、思春期ころに目立ってくる場合とがあります。深い所に母斑細胞がありますので複数回照射が必要です。
  • 扁平母斑:いわゆる“茶あざ”で、扁平な、点状から面状に分布する茶褐色の色素斑がみられます。通常は発毛を伴いませんが、少し濃い発毛を伴うものをベッカー母斑と言います。レーザーを照射してしばらくは消えていたものが次第に再発する場合もしばしばあります。再発率が高いのが特徴です。
  • 異所性蒙古斑:蒙古斑は黄色人種にはほぼ必ずあり、ほとんどが506歳で消えます。時に四肢や体幹部などにできる場合があり、これが異所性蒙古斑です。異所性蒙古斑は通常型より消えにくい傾向があります。
  • 色素性母斑:いわゆる“ホクロ”です。Q-Nd YAGレーザーの他にCO2レーザーで治療することがあります。大きいものは、外科手術が必要です。悪性のものと鑑別する必要があるときには切除して病理組織検査を実施します。
  • 遅発性太田母斑様色素斑:肝斑に似ていますが、色が少し黒味を帯びていて、両側対象性に出てくるのが特徴です。あざの一種なので、メラニン色素が増えているのではなく、メラニン色素を作る細胞が増殖しています。
  • 外傷性刺青:けがにより、細かい泥や砂が皮膚に入り入れ墨となります。
    Q-Nd YAGレーザーにて改善します。
  • 刺青:赤色など刺青の成分に鉄を含んでいる場合、レーザー治療をすると酸化還元反応により黒くなる場合があります。緑や白など色によっては反応しません。治療には複数回照射が必要です。

関東労災病院

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