卒後臨床研修管理室長より

関東労災病院の初期研修にご興味をお持ちの医学生の皆様へ


当ホームページをお尋ねいただきありがとうございます。関東労災病院の初期臨床研修の特徴をご紹介したいと思います。

当院は神奈川県川崎市の武蔵小杉駅と元住吉駅の間に立地する610床の病院です。「地域医療支援病院」、「地域がん診療連携拠点病院」、「災害拠点病院」として川崎市中部地区(人口約48万人)の地域医療の中核病院の役割を担い、救急・急性期・高度先進医療を提供しています。患者層は幅広く、日常よく遭遇するcommon disease から高度な医療を必要とする難治性疾患まで多様な患者が来院されます。 臨床研修については、日常診療で頻繁に遭遇する疾病・臨床例を広く経験させるため、28の診療科の中から幅広く研修科を選択できる仕組みとしています。

当院の初期臨床研修ローテーションの最も大きな特徴は自由選択期間を前倒しにしているところです。近年スタートした新専門医制度が極めて複雑で、かつ毎年にわたる方針変更や決定通知の不明瞭さ、シーリング調整の不透明さなど問題を抱えている中で、初期研修医の皆さんに適切に進路選択の意思決定をしていただきたく思い、ローテーションの自由選択枠をできるだけ早い時期に使って志望する科、興味のある科を体験していただければと考えてこのような方法をとっています。
2020年度研修からの医師臨床研修制度の改正に伴い、必修科目の再厳格化が行われますので自動的に選択枠は減少しますが、全体としてはどの科に進まれるにしても多彩な科での初期研修が大事な経験となるであろうとの考えの下、ゼネラリスト志向のプログラムとしています。

救急集中治療科での日中救急外来での研修医ファーストタッチを原則とした教育と、夜間休日救急外来を2年次研修医とともに行う業務を通じて基本的な総合的外来技能を身に着けることを狙いの一つとしています。また、内科各科、外科、麻酔科、小児科、産婦人科、集中治療室の必修に加えて多彩な臨床科を選択可能とすることを通じて一般的な病棟業務の技能を身に着けられます。医療のさまざまな現場、現状に触れることも必要な経験です。地域医療研修では、同じ中原区内の島脳神経外科整形外科医院と新潟県のあがの市民病院が協力施設であり、それぞれ診療に参加し立場、視点の異なる医療現場を知ることも研修要素の一つとしています。近隣の島医院では同じ地区の患者層を対象として、1次救急など当院勤務では経験することのない側面から経験する機会を提供しています。あがの市民病院では、当院とは大きく異なる土地柄・患者層の診療(訪問診療を含む)を行うことのできる貴重な機会となっています。

これらの診療各科での研修に加え、病棟から離れて講義や実習を行う集合研修期間という仕組みも設定しています。初期臨床研修の到達目標の改正で新たに設けられた目標をないがしろにせずに着実に達成してほしいという狙いがあり、数年前までは講義や研修が早朝や週末に行われてきたことを改善した結果でもあります。
この集合研修期間の中では特に医療の社会的側面、制度面に着目する内容としています。なぜなら医療を取り巻く情勢は特に経済政策の影響を激しく受け、10年で急速に変容してきています。それゆえにこれから初期研修医となる皆さんの経済的、社会的待遇は従来と比べて決して楽観的なものではないと思われるのです。そのような状況下で皆さんが何を関知するべきか、どのように行動するべきかは自ら考えていただく必要があります。その一助となってほしいと考えています。

私の経験上、初期に限りませんが臨床研修の成果の良しあしを最も左右するのは研修医本人そのものです。また次に影響を与えるかもしれないものとして研修医の集団の性質も一部はあります。
病院の知名度があって楽で自由で、言うことを聞いてもらえるという評判も半分は合っていると思いますが、研修医同士でなれ合って研修の意義を低めるような展開は望みません。初期研修実施責任者として、せっかく当院に来ていただいて研修をしてもらうのであれば皆さんにできる限りの環境を用意したいと考えています。
業務に対する責任感がなかったり、仲間以外の他者に対する敬意を持ち合わせていないのでは一般社会での業務を問題なく遂行し、技術を向上して医師としての地位を確立し尊敬を得ることは困難です。ともに研修すること、業務を行うことに価値を感じられる環境を提供できればと思います。
  
また、これまで院外に向けてはほとんど語ってきませんでしたが、当院の初期研修の労務管理にはおそらく他病院にはない厳格な、法制度に基づく仕組みを導入しています(2019年度から運用開始)。運用を開始して間もないので運用上の問題には順次対応を行っているところではありますが、基本的な労働時間の設定に法的問題はないように設計しています。
これの狙いは研修医の労働者としての権利を確保しつつ、無益な紛争を避けることにあります。一方で労働法規に定められた時間で初期研修医の修練に十分であると考える医師はほとんどいません。この間を埋めるのは本人が労働でないことを理解した上で行う自主的な修練です。これを強いることはないように関係者に注意して運用しているところですが、長時間の修練なしにはいわゆる「経験」というものは身に付きません。この部分は初期研修医がそれぞれ自分の状況に応じた時間配分、選択をしていただくしかありません。ただ上級医に追随するだけでなく、自ら考え十分な勉強をできるような仕組みでもあります。

関東労災病院は労災病院という、全国に散らばる病院組織の一つであり「勤労者医療の充実」などを業務の一環として行う病院ですが、医学生の皆さんに関係があるとすれば、その出自と関連して整形外科が非常に大きい病院である点だと思います。整形外科志望にはもちろんそれゆえの研修機会を選べますし、そうでなくても十分な研修を提供できます。
周辺地域はタワーマンションが立ち並ぶ再開発地区と近く、人口が未だに増えている地域です。日本全国の平均的状況からは遠いですが臨床研修にはかえってプラスになる面もあろうかと思います。また立地の良さ、敷地内の寮は生活の利便性に直結しています。
近年は日本全国から優秀な研修医の皆さんに来てもらっています。採用に当たっては一切の区別をしていませんが、多彩な出身地から来る同期から受ける刺激も貴重なものだろうと思います。今後も遠隔地からの見学、志望をお待ちしています。

卒後臨床研修管理室長
松田 出

関東労災病院

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