鼻アレルギーの話(2)

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耳鼻咽喉科
部長: 杉尾 雄一郎

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いよいよ季節到来

2月14日といえばバレンタインです。
チョコレートメーカーの罠にはまり、14日前の数日、お菓子売り場は人でごったがえします。
男性はというと嬉しい人もいると思えば、悲しむ人も少なくないはずです。
この時期、人々がゲットするのはチョコレートばかりではありません。
そう、あの黄色く空にはじけるスギの花粉でです。

今年は厳冬だったせいか、もともと花粉が少ないせいか、まだ町に覆面、マスクといった怪しげな人々は少ないようです。
マスコミもオリンピックがあるせいか、妙に静かです。

今、日本人の4人にひとりは鼻アレルギーをもっていると考えられます。
その数値は都会ほどひどい傾向にあります。
鼻アレルギーの3大抗原は室塵、花粉、真菌です。
縦に長く四季を明瞭に有する日本では、1月のハンノキに始まり、スギ、ヒノキ、カモガヤ、秋のブタクサなど、花粉飛散はほぼ一年中休むことを知りません。
その度、鼻はずるずる、目はぐしょぐしょを繰り返すのでたまったものではありません。

花粉症とは

花粉を抗原とした即時型アレルギーです。
一度、花粉に感作されると、人間の体内で抗原に対する抗体が産生されます。
次の抗原の暴露で抗原抗体反応が生じて、ケミカルメディエーター(細胞から細胞への情報伝達に使用される化学物質)やサイトカイン(白血球などの免疫細胞から分泌されるタンパク質)などが遊離され、くしゃみ、鼻水、鼻閉といった症状がおこります。
また、咽頭痛や微熱を起こすこともあり、はじめは風邪との区別がつきずらいことがあります。
現在は血液検査で抗体の種類や定量が可能で、もし、正確な診断がご希望なら検査されたらどうでしょうか。

いよいよ季節到来

現在、根本的に鼻アレルギーを治す治療はありません。
有効と考えられるのは薬の季節前投与です。
その年の花粉飛散日の予測から2週間前位より内服を始めると、症状の緩和に有効と考えられます。
一番使われているのが第二世代の抗アレルギー薬です。
花粉の飛散量が大量になると、一種類の薬では対応できないこともあり、少し眠気のでるような抗ヒスタミン作用の強い薬とか、局所点鼻薬との併用が良いと思います。
これらはあくまで症状に対する対症療法です。
大切なことは花粉に暴露しないようにすることです。
花粉予防のマスクはかなり能力の高い物がでています。
外出から帰ったら、服の汚れをとり、手洗い、うがい、風の強い日は窓をなるべく空けないなどの注意が大切です。

スギは日本、中国、ヨーロッパの一部にしか生息していないため、これ以外の土地にいれば発症しません。
また、都会の方が発症が多いことから、生活環境、ストレス、大気汚染などが増悪因子と考えられています。
東京都は数年前からデーゼルの規制を行っています。
環境整備も大切なことだと思います。

手術に関して

耳鼻咽喉科で鼻アレルギーに対して行う手術としてレーザーのよる下甲介焼却術があります。
鼻腔の中で鼻水を産生し、腫れて鼻閉をおこす下甲介の粘膜をレーザーで焼却するのです。
これによって鼻水は減少し、鼻通りは良くなり治ってしまったかと考えてしまう人もいます。

手術は短時間(30分位)で日帰り可能です。
しかし、はじめにも述べましたが、鼻アレルギーの根治がえられるわけではありません。
焼却した下甲介粘膜は再生します。
2~3年は快適に過ごせても、いつかは同じ症状に戻ります。
では、何年かごとに受ければと考えますが、あまり正常な粘膜を焼却し続けると、高齢になった時、鼻が通りすぎて悩む萎縮性鼻炎の発症も予想されます。
レーザー手術をご希望の時は、耳鼻咽喉科専門医とよく相談の上決めることを勧めます。

将来、鼻アレルギーが根治する治療の開発に努力したいと思います。

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