腹腔内化学療法の治療例

  胃癌腹膜播種に対する新しい治療
  
  
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胃癌腹膜播種レリーフ3
Case Report  (腹腔内化学療法の治療例)
  
   胃癌播種CASE_REPORT1   
術前のCTや内視鏡検査で胃の外側まで癌が浸み出していると予想される患者さんや、スキルス胃癌のように高率に腹膜播種を伴うと予想される患者さんは、まず腹腔鏡検査で腹膜播種の有無を観察し、腹腔内の洗浄細胞診検査を行います。播種がなく洗浄細胞診も陰性なら開腹して根治手術を行います。腹膜播種が見られた場合や洗浄細胞診が陽性であった場合は、胃を切除しても早期に再発しますので胃は切除せず皮下埋め込みポートを留置します。術後は埋め込みポートを利用して、洗浄細胞診が陰性になるまで腹腔内化学療法を繰り返し、陰性になったら肉眼的根治手術を目指す場合もあります(皮下埋め込みポートから生理食塩水を注入しそれを回収することができますので、何度も腹腔鏡検査を行わなくても外来で定期的に洗浄細胞診を行い治療効果を判定できます)。写真は、開腹手術時に腹膜播種がみられた患者さんです(この患者さんは開腹していますが、最近は開腹せず腹腔鏡で観察します)。上の段が腹腔内化学療法前、下の段が腹腔内化学療法後。経口抗癌剤S-1の内服とパクリタキセル腹腔内投与により、肉眼的には腹膜播種が消失し瘢痕組織になっています(白っぽい部分)。
  
  
   胃癌播種CASE_REPORT2   
典型的なスキルス胃癌です。胃全体が硬くなり内腔が狭くなる癌で、進行が早く診断時には既に腹膜播種を生じていることの多い予後不良の癌です。しばしば卵巣転移を伴い、卵巣腫瘍と誤診されて婦人科で手術されることもあります。この患者さんも卵巣腫瘍と診断され他院で卵巣と子宮を摘出されましたが、胃癌からの卵巣転移と判明し末期癌と宣告されて来院されました。上の段が抗癌剤治療前、下の段が抗癌剤治療後。治療後、癌のために硬くなっていた胃が膨らむようになりました(中列のレントゲン参照)。食事も普通に摂取可能になり外来通院で1年間抗癌剤治療を行ったあと肉眼的根治手術を行いました。治療開始後3年3ヶ月、再発無く外来通院中です。
  
  
   胃癌播種CASE_REPORT3   
胃癌と診断されたときには腹水と巨大な卵巣転移を認め(右列上)、他院にて余命1ヶ月で緩和ケアを勧められた患者さんです。抗癌剤治療により腹水がほぼ消失し、卵巣転移も縮小、腹水細胞診も陰性化したので肉眼的根治切除を行いました。治療開始後26ヶ月生存されました。
  
  
   胃癌播種CASE_REPORT4   
膵臓周囲のリンパ節転移が著明な患者さん。根治切除不可能と思われましたが 、抗癌剤治療後 、転移リンパ節が著明に縮小し根治切除を行うことができました。 原発巣も著明に縮小しています。
  
  
   胃癌播種CASE_REPORT5   
S-1の内服とパクリタキセルの腹腔内投与は胃の中の癌やリンパ節転移にも効果を示します。腫瘍や転移リンパ節が大きいために根治手術が難しそうな場合は、手術前に抗癌剤治療を行い、腫瘍を小さくして切除の可能性を高めてから根治手術を行います。
  
  
   胃癌播種CASE_REPORT6   
腹膜播種が進行するとしばしば大量の腹水を生じ腹部膨満感に苦しみます。当科では、通常の治療では難渋することの多い大量腹水の患者さんに腹腔内化学療法を行い、約7割の患者さんに腹水の消失または改善を認めました。大量腹水を伴う腹膜播種でも腸閉塞を生じていない場合は、諦めずに治療すればQOLを取り戻すことができる場合があると考えています。

なお、治療抵抗性の難治性腹水に対してはCART(腹水濾過濃縮再静注法)を行い、QOLを改善して抗癌剤治療を行っています。
  
  
   胃癌播種CASE_REPORT7   
腹膜播種はおなかの下の方で成長しやすいため、しばしば直腸が狭くなり排便困難になります(直腸狭窄)。この患者さんは直腸が狭くなり人工肛門を勧められていましたが、抗癌剤治療により直腸狭窄は軽快し(左列)、便通は正常になりました。治療開始後1年10ヶ月の間、人工肛門を回避できました。
  
  


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