医療安全について



 病院では医療が行われます。医療は患者さんによくなっていただきたいという医療者の願いの下に行われます。ただし、医療は大なり小なり、患者さんに危険をもたらすことがあります。例えば、投薬でも、薬の副作用の危険性があります。注射、処置、手術などは直接患者さんの体に傷をつけます。大きな手術は手術関連死という最悪の事態も起こりえます。そのような危険性がありながら医療行為が行われるのは、医療行為がそのマイナス面を補って患者さんに益をもたらすことが期待されるからです。
 われわれ職員一同は常に、患者さんへ安全な医療を提供することを心がけています。院内には医療安全管理室が設置され、専従の職員がいます。また、この医療安全管理室を中心として、医療安全推進委員会、医療安全管理対策委員会が組織されており、それぞれ定期的に開催されています。これらの委員会では、医療に関するアクシデントの防止、安全文化の醸成、医療安全に係る取り組み、その評価等が討議されています。毎年全職員を対象とした医療安全の講習会、医療安全キャンペーンが開催され、個々の部署での医療安全への取り組みを具体的に提示してもらいその評価も行っています。
ここで医療というものを考えてみると、生命の仕組みを解明するために今まで世界中の科学者、医学者が研究を行ってきており、また、現在も進行中であります。少しずつ分かってきたこともありますが、まだまだ人体はわからないことが多く、現代医学も正しいとは限らないのです。また患者さん個々の体はみな違うこと、性差、年齢、合併症も含めると医療行為の結果は100%確実には予測できません。その上でわれわれ医療者は患者さんを目の前にして、常にその時点での最善の治療を考え、提供することを心がけています。特に救急の患者さんを診療するときは「瞬時の判断を迫られること・やり直しがきかないこと」を十分理解し、重い決断をしなければならない場面が多くあります。
このような状況で最善の道を探るには、医療者が現在目の前にいる患者さんに、当方が患者さんから得た病歴、診察結果、検査結果、レントゲン検査結果等、判明したことを十分説明し、その上で「医療の不確実性」を患者さん・医療者ともに認識し、医療を受けないことも含めた複数の選択肢から、患者さん自身に治療法を選んでいただくこと(インフォームド・コンセントとインフォームド・チョイス)が非常に重要になってきます。時間的余裕があればセカンドオピニオン(他の医師の意見)を聞くことも可能です。

医療安全に関して、当院では先に述べたような取り組みを積極的に行っていますが、医療に関するアクシデントは完全には無くなりません。安全で質の高い医療を提供し続けるには、各職員の不断の研鑽が必要ですが、個人の努力のみに依拠するアクシデント防止には限界があります。上記に述べた「医療の不確実性」を考えたうえで、病院自体が組織的な安全管理体制のもとに医療アクシデントをおこさないためのシステム作りをすることが大切であると考えています。



関東労災病院

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