放射線治療科

治療方針

最新の情報を参考にエビデンスに基づき患者さん一人一人に合わせた治療を提供できるよう常に努めています。

診療科の特徴

放射線治療は、がんの3大治療の一つで、機能温存、形態温存、低侵襲性等のメリットがあり根治治療から緩和治療まで幅広く適応があります。全身状態の不良な方や高齢者にも安全に治療できるのも特徴です。
当院では、VARIAN社製CLINAC-iXを導入し、高精度放射線治療である強度変調放射線治療IMRT/VMAT(IMRT治療では最新の回転原体強度変調放射線治療),脳定位用ConeSytem.による放射線治療(SRT:StereotacticRadiotherapy),呼吸監視装置Real-time Position Management(RPM)Systemを用い呼吸性移動を加味した4DCTを撮影することで、胸腹部の腫瘍や正常臓器の動きを考慮した高精度放射線治療に対応可能な治療機器を導入しています。また治療する部位(臓器)に対して1mm以内の精度で治療が可能な画像画像誘導放射線治療IGRTも同時併用可能です。
機器等の精度管理にも積極的に取り組み、医学物理士、放射線治療品質管理士、放射線治療専門技師によるQAQCカンファレンスを毎週実施しスタッフ間の情報の共有に努めております。また放射線治療室には専任の看護師が常駐し患者さんにより良い看護の提供に努めております。
院外からの放射線治療依頼にも積極的に対応し緊急照射(脊髄転移による麻痺症状やSVC症候群、気道狭窄など)等にも、各診療科と協力し迅速に対応しています。また通院が難しい方については、1日で治療を終わらせることも可能です。適応が迷われる症例がありましたら、まずお問い合わせ下さい。

対象疾患

悪性腫瘍(根治・緩和・予防的)
脳腫瘍、口腔内腫瘍(歯科口腔外科領域)、頭頸部腫瘍、胸部腫瘍(肺がん、胸腺腫瘍)、乳がん、
消化器腫瘍(食道がん、胆道系腫瘍、直腸がん、肛門管がん)
泌尿器腫瘍(前立腺がん、膀胱がん)婦人科腫瘍(子宮体がん、子宮頚がんの術後、外陰がん)
造血器腫瘍(悪性リンパ種:ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫)
転移性腫瘍(転移性脳腫瘍、骨転移、肺転移)
緊急照射(脊椎・脊髄転移による脊髄圧迫、悪性腫瘍による気道狭窄、上大静脈症候群)
一部の良性疾患(甲状腺眼症)

診療体制

【放射線治療専門医】
放射線治療チームの責任者です。放射線治療の効果、照射術式とその計画、有害事象、治療前中後の管理など専門知識と診療技術を駆使して適正な放射線治療を実施します。集学的治療および放射線の安全管理に関する広い知識に基づいたチーム医療を通じてがん治療を患者さんに提供します。
  
【診療放射線技師】
放射線治療専門技師・放射線治療品質管理士・ 医学物理士
毎日の放射線治療業務を担当します。必ず2名のスタッフで患者さんに対応します。また日々の品質管理QA/QCも担当しています。
  
【放射線治療専任看護師】
毎日の放射線治療業務や治療医の診察を補助します。またオリエンテーションや毎日の看護ケアを担当します。医師や技師に話しにくい事などなんでもご相談下さい。
  
【非常勤医学物理士】
当院では、経験豊かな非常勤医学物理士による第三者的立場による品質管理評価を実施しています。毎週行われるQA/QCカンファレンスにて日々の検証結果データの妥当性、高精度放射線治療技術管理プログラムの作成や助言など当院の品質管理に貢献しています。
  

放射線治療の流れ

  . 放射線治療専門医による診察
  これまでの診断情報、画像情報から最善の治療法を検討。そのうえで当院での治療が可能かを判断し、効果や副作用についても十分に説明を行ないます。
  
. 放射線治療に必要な固定具の作成と治療計画CT画像取得(CTシミュレーション)
  治療方針が決まり、患者さんの同意が得られましたら、固定具を作成。これにより患者さんを固定し、治療の精度を高めます。治療計画を立てるための治療計画用CT(CTシミュレーション)を実施します。部位によってはより良く把握するためにMRI検査を実施します。
  
. 治療計画の作成、検証、精度管理
  放射線治療専門医が画像情報およびその他の検査情報から精密な治療計画(放射線量、照射角度・方向、回数など)を作成します。それに伴う治療計画検証、精度管理を専任スタッフが2人体制で確認作業(ダブルチェック)して患者さんへの安全な放射線治療に努めています。
  
. 放射線治療開始
  治療計画CT撮影を行なった日から原則1週間以内に放射線治療を開始します。
(緊急照射はその限りではありません)
治療時間は、15分程度で治療に伴う痛みはありません。
※ 照射方法、照射部位によって治療開始までの日数、治療時間及び治療期間は異なります。
  
. 治療中、経過観察
  放射線治療中は、週1回の診察を致します。
治療終了後には紹介医療機関、かかりつけ医師に報告書を提出致します。その後も定期的な診察と継続的な連携により必要に応じて治療を実施致します。
  

放射線治療を受ける方へ

【放射線治療とは】
がん細胞に放射線を照射すると、がん細胞は徐々に死滅します。しかし正常な細胞組織は徐々にダメージから回復していきます。この作用を利用したのが、放射線治療です。
放射線は、目に見えず、体に当たっても何も感じません。そして、体を通り抜けるので、体の中に蓄積することもありません。毎日、少しずつがん細胞にダメージを与えていき、その積み重ねによって、がんが縮小・消失するため、放射線治療専門医師の指示通りの回数と、スケジュール通りに治療を行う事が、とても重要です。
【治療の予定】
放射線治療は、放射線治療専門医・専任看護師・放射線治療専任技師がチームとして行います。
治療は、月曜日から金曜日まで毎日行います。土・日・祝日はお休みです。
診察時に、あらかじめ治療回数が決まりますが、状況に応じ変更する場合もあります。
【治療期間中の診察について】
原則、週に1回放射線治療担当医の診察があります。
症状の変化や出現など、変わったことがありましたら、なんでもご相談下さい。
詳しくは"こちら"をクリックして下さい。

医療機器

リニアック Clinac iX (VARIAN社)
リニアック Clinac iX (VARIAN社) 世界で4,000台以上もの納入実績をもつVARIANのオンコロジーシステム。その新しいフラッグシップマシンが「Clinac iX」です。広範囲な画像取得技法と多彩な治療オプションを統合し,ダイナミックなモーションマネージメントを含む,高い性能,信頼性を提供するプラットフォームです。3次元治療から定位照射及びIMRTはもちろんのこと,IGRT,DART等の最新技術まで,現在のあらゆる放射線治療に対応する放射線治療装置です。
IMRT(VMAT)IGRT(画像誘導放射線治療) RPM(呼吸同期照射システム)脳定位コーンシステム

CTシミュレーター Optima CT580W(GE社)
CTシミュレーター Optima CT580W(GE社) 【GE社のワイドボア16chマルチスライスCT装置】 従来のCT装置では、治療用の治具をつけた状態で患者撮影をする場合には、CTガントリーに接触してしまう可能性があり、注意が必要でしたが、Optima CT580 Wでは、80cmという大開口径により、放射線治療器と同じ姿勢、体位、治具をつけて撮影が容易となりました。開口径を広くしても、Optima CT580 Wでは、800mAという高出力により、体格のある患者さんでも高画質が維持できます。
【放射線治療患者さんへのCT撮影法】
体幹部の放射線治療において、腫瘍の呼吸性移動を考えて、様々な対策が行われてきました。Optima CT580 Wでは、浅呼吸下での4秒SlowScan法や、呼吸停止時での高速0.5秒Helical撮影が可能です。また、バリアンメディカルシステムズ株式会社RPMシステムの呼吸監視デバイスを利用した自由呼吸下での4DCT撮影も可能です。

X線シミュレーター Acuity (VARIAN社)
X線シミュレーター Acuity (VARIAN社) Acuityは,二次元治療計画から,高度な治療モダリティのシミュレーションを可能にした,最新鋭のX線シミュレーターです。フルデジタル化はもちろんの事,加速器と同じ幾何学的な配置は、より高品質な放射線治療データ取得が可能。また,KVにて取得される画像は,IGRT用の参照画像として利用可能です。

治療計画装置
治療計画装置 XiO(ELEKTA社) 最新ツールと優れた線量計算アルゴリズムを搭載した総合的な3D/IMRT治療計画システム
Monaco IMRT用(ELEKTA社)
照射時間が極めて短いVMATシーケンスを出力できるようになり、また計算機性能が大きく向上したMonaco最新のバージョン
*研究発表:Optimization of the various TPS parameters in VMAT
日本放射線技術学会 秋季学術大会発表:関東労災病院 萩生田 洋
iPlan 脳定位用 (BreinLab社)



当院における放射線治療精度管理(QA/QC)

治当院における放射線治療制度管理

始業前QA_QCの実施

週_月_年QA_QCの実施

4枚の写真

放射線治療科の品質管理(出力確認)第三者評価プログラムの取り組みについて

照射線量の品質保証は本来各施設内において実施すべきでありますが、近年ではそれに加えて第三者的検証の重要性に対する認識が高まってきております。
当院は、初期段階から公益財団法人医用原子力技術研究振興財団で実施されている蛍光ガラス線量計を用いた「治療用照射装置(X線)の出力線量測定事業」に参加する神奈川県内でも数少ない施設です。(8施設)関東労災病院 放射線治療室は、患者さんの安全確保と質の高い放射線治療を実施するために積極的に放射線治療における品質管理を実施しています。
「治療用照射装置(X線)の出力線量測定事業」は、我が国の放射線治療施設における品質管理状況を第三者機関として評価するための システムであり、関係学協会からの推薦委員および専門家で構成された医療放射線監理委員会の監理・監督のもとに運営されています。 郵送調査による第三者評価プログラムは世界各国で実施されており、医療事故防止にも有効であることが示されています。


公益財団法人医用原子力技術研究振興財団

独立行政法人労働種健康福祉機構関東労災病院

医用原子力技術研究振興財団ホームページより(http://www.antm.or.jp/index.html


ガイドライン一覧


   ● 放射線治療科診療ガイドライン(pdf)


診療スタッフ

荒平 聡子(あらひら さとこ)
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役   職 部長
専 門 分 野
放射線腫瘍学
所 属 学 会 日本医学放射線学会
日本放射線腫瘍学会
日本癌治療学会
日本頭頚部癌学会  
放射線科専門医・放射線治療専門医
放射線治療専門医
  
  
資   格
 
出 身 大 学
鹿児島大学 平成12年卒業
メッセージ 放射線治療は全身の多くの癌の様々な段階で行なうことの出来る治療です。
速やかな対応と丁寧な説明を元に、最適な治療を最適な時期に行なうことができるよう心がけております。
院外からの紹介も積極的に受けており、ご本人の来院が難しい場合にはご家族のみのご相談もお受けしますので、まずは医療連携室にご相談くださいませ。 
論文や著書   





関東労災病院

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