顎関節症のお話

              
   
          
        歯科口腔外科
歯科口腔外科ホームページへ        
            

顎関節(がくかんせつ)ってどこにあるかご存知ですか?

両側の耳の穴の少し前に人差し指を置いて口を開け閉めしてみてください。 骨がぐりぐり動くのが分かると思います。 そこが顎関節です。

手足の関節とずいぶん違うと思いませんか?

え?どこが違うか?

まず、動き方です。 正常な顎関節の場合、大きく口を開けると下あごの骨が関節から外れるように前に移動するはずです。これは他の関節では普通ないことです。 もう一つは、一つの骨が同じ骨に対して2か所で関節していることです。(厳密に言えば同じ骨ではないのですが、頭蓋骨は動きませんし、ひと塊と考えれば同じ骨と言えます)つまり、片方の関節の動きはダイレクトに反対側の関節の動きと共働する、言い換えれば片方の顎関節の異常は反対側の顎関節に影響を与えるということです。

難しいですね。

例えば上腕骨という骨は肘と肩で関節していますが、肘を固定して肩を動かす、あるいは肩を固定して肘だけ動かすことができます。でも顎関節はそれが出来ません。右の顎関節を動かそうと思ったら必ず反対側の左の顎関節も動かざるを得ないのです。また、ご飯を食べる、話すといった日常生活動作をする限り、顎関節は安静にすることが出来ないのです。安静にするのが難しいということも、顎関節の特徴の一つかもしれません。

さて、顎関節症の治療ですが、おおむね次の5点に集約されます。

①薬物療法
消炎鎮痛薬や筋弛緩剤などによる内科的治療で顎関節の疼痛を緩和します。

②スプリント治療
歯をカバーするマウスピースを装着し、噛みあわせを調整することで顎関節の安静を図ったり、ずれてしまった顎関節組織の位置を修正します。

③理学療法
徒手で関節を動かし、ずれてしまった顎関節組織の位置を修正します。ときには顎関節に直接麻酔することもあります。また温罨法(ホットパック)などで組織の循環を改善し、消炎を図ります。

④手術療法
難治症例に対しては関節を開放したり、内視鏡を用いて手術をする場合があります。

⑤その他
生活習慣の中で顎関節に悪影響を与えていると考えられる習癖の除去など。

たいていは①や②の治療で症状を改善することができます。 治療のゴールは単一ではありませんが、最低限クリアするべきは日常生活に支障がないかどうか、です。

意外と大切なのは⑤の悪習癖の予防です。 顎関節症は生活習慣病であるともいえます。

たとえば、
・うつぶせ寝やソファー寝などしていませんか?
・頬づえをついて勉強や仕事をしていませんか?
・普段からパソコンやスマホなどを見ることで、首が前屈している時間が長くなっていませんか?
・片側で食べ物を噛む癖はありませんか?
・極端に軟らかいものや硬いものばかり食べていませんか?
・ご飯を食べるときにTVなど見るために横向いて食べていませんか?
・枕は合っていますか?
・スポーツや音楽など、普段顎に負担のかかる趣味や習慣はありませんか?

こういった習癖は全て顎関節に影響を与えると考えられます。

まずはご自身が顎関節症かどうか、確認してみてください。
①顎関節がカクカクする。
②顎やその周りの筋肉が痛い。
③口が開かない。あるいは開きにくい。

その上で困った症状があれば当科の門をたたいていただければ、幸いです。 顎関節症はなかなか厄介な疾患です。命に直接かかわることはありませんが、QOL(Quality of life;生活の質)に大きく関与します。
ご相談をお待ちしております。

(著者:大橋 瑞己 H29.3.31まで在籍)        

 

歯科口腔外ホームページへ

関東労災病院

〒211-8510
神奈川県川崎市中原区木月住吉町1-1
(最寄り駅:元住吉、武蔵小杉)
診療受付のご案内
月~金 8:15~11:00
(眼科のみ10:30まで)
病院代表番号(総合案内)
外来予約センター(初診)
再診予約(各診療科へ)
(平日14:00~16:30)
人間ドック予約
:044-411-3131
:044-435-5041
:044-411-3131

:044-434-6333