水虫の話

            足立真
           
   
          
        皮膚科 部長 足立 真
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 水虫は専門用語では足白癬(あしはくせん)といい白癬菌という皮膚糸状菌(カビの1種)の皮膚感染症です。水虫という俗称は田圃で仕事をしている農民が自分の足に小水疱ができてムズムズして非常に痒いのを田圃の水の中にいる虫に刺されたと思い込んだことに由来します。ちなみに欧米では運動選手に患者が多いことより俗称Athlete Foot(アスリートの足)と呼ばれています。
 一昨年5月に全国規模で行われた日本人の足の疫学調査の結果から推定すると日本全体で約1000万人以上の水虫患者さんがいるようですので、このホームページをご覧になっている方の約10人に1人は水虫に悩んでいることになります。特に白癬菌は湿度の高いじめじめした環境を好むので冬期は症状がなくても梅雨の時期には再発し不快な思いを毎年繰り返すことになります。

 ところで、水虫というとすぐに「痒い」というイメージがあります。たしかに足の指の間がただれる趾間型白癬、足底に小さな水ぶくれができる小水疱型白癬は痒みが強いですが、足底から踵部にかけての角質が厚くなる角化型白癬、爪が肥厚変形し混濁する爪白癬のように自覚症状のないものもあります。水虫は侮っていると皮膚の傷口から雑菌が入りやすく、局所の二次感染やひどくなると下腿の蜂窩織炎を起こす場合もあり「水虫は万病のもと」とも言えます。
 また、厄介なことに自称“水虫”患者さんの約3分の1は、足の胼胝(べんち)状湿疹や掌蹠(しょうせき)膿疱症などの別の疾患ですので、治療の前に皮膚科専門医に顕微鏡で病変部に白癬菌が存在するかどうか診察してもらい、診断を確定してから治療することが重要です。
 
 さて、この水虫の治療について紹介させていただきます。昔から俗に「ハゲと水虫の薬はノーベル賞もの」と言われているように、水虫は治りにくいものと思われ様々な秘伝の民間療法が考えられましたが、最近の外用剤は白癬菌に対する効果が強くかつ角質内貯留時間が長いので1日1回の外用で充分治ります。1週間ほど外用して痒みがとれるともう治ったと早合点して塗るのをやめてしまう人が多いですが、カビはしぶとく生き残っていますので、無症状でもさらに1ヶ月ほどは根気よく毎日手入れしてカビにとどめを刺さねばなりません。
 白癬菌は症状がないところにも存在しているので風呂上がりで角質層が水分を含んで薬が浸透しやすいときに足趾の間から足の裏全体に外用剤をまんべんなく塗ることが必要です。大多数の人は夏季に趾間がむずかゆくなると外用剤を塗りますが実はカビが休眠している冬季こそしっかり外用することが完治につながります。家族内感染を防止するためにも、根気よく治療して家庭から完全に白癬菌を追い出しましょう。
 また、水虫の感染源としては銭湯やプール、会社のロッカー室などの足拭きマットにひそんでいる白癬菌のことが多いので予防のため足はこまめに洗いましょう。
 最後に最近話題の足や手の指の爪が混濁する爪白癬について解説します。
爪も皮膚同様、白癬菌が好む表皮たんぱく質(ケラチン)でできていますので感染の標的になります。数年来水虫があり、爪が先端から肥厚し白濁してきたという方は要注意です。爪白癬はカビの倉庫のようなものでいくら薬を塗って治しても爪からすぐに水虫が広がります。そのため爪白癬を合併している場合は爪をしっかり治さないと根治になりません。
 また、爪白癬ではカビは外用剤の染み込まない爪の下にいますので外用剤では根治は望めず内服治療が必要になります。内服薬(イトリゾール、ラミシール)は他の薬剤との飲み合わせや肝障害などの副作用もあり、また内服期間も爪が生え変わるまで(指爪で半年、趾爪で1年ぐらい)かかるので必ず皮膚科専門医の指示に従って治療してください。

 

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