めまい~めまいは一症状、社会復帰を目指して~

            杉尾雄一郎
           
   
          
        耳鼻咽喉科 部長 杉尾 雄一郎
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 1861年メニエールは、高度難聴とめまいに襲われ死に到った人の報告をしました。現在いわれるメニエール病の語源です。めまい関連の報告は近代ヨーロッパから始まり、現代まで常に増加傾向にあります。日本でも、「目が廻るほどいそがしい」という言い下りがあります。市民化(Civilization)という言葉がありますが、めまいはまさにこの言葉と共に歩んでいるといっても過言ではありません。
 最近、耳鼻咽喉科を受診するめまい患者は多く、メニエール病という病名が一人歩きしているため、不治の病のように恐れられています。といって、「メニエール病ってどんな病気ですか?」と聞いてみると、病気に関する認識は少なく思えます。
 
 検査で診断すると約6割が内耳からのめまいですが、本来のメニエール病と診断されるのは全体の15%程度です。ここで考え直してほしいのは、めまいは胃潰瘍や蓄膿症といった病気ではなく一症状であるという認識です。もちろん、難聴を伴う場合メニエール病と診断されますが、症状の複合と考えたほうが良いと思います。めまいを発症する人の多くは心身が緊張状態にあります。引き金の多くは過労、不眠、ストレスです。このような環境が後頭部の冷えを招き、めまい症状を引き起こします。従って、めまい症状を改善に導くためには心身のリラキクゼーションが必要と考えます。

 糖尿病、高血圧などの合併症持っている人や高齢者では、動脈硬化や血圧変動の問題が絡み、治療に難渋することがありますが、めまいを治すには、まず身体を動かすことから始めることだと思います。回転性のめまいを経験すると、不安が前景にたち、個人や社会的活動を制限してしまいます。大切なことは、めまいがどうして起こったかを解明し、それを克服して社会復帰することと思います。
 めまいの症状には、喫煙は血管系の及ぼす影響があり勧めらませんが、適度なアルコールは心身の緊張緩和に役立ちます。しかし、めまいはまじな性格の人に多く「私、お酒1滴も飲めないんです」といつも一蹴されてしまいます。
めまい患者の数%以下ですが、めまいで生命を損なうことがあるります。ほとんどが脳幹や小脳の出血です。ろれつが廻らなかったり、頑固な頭痛が随伴したり、血圧が高めな場合は充分に御用心を….
こちらの特集は神奈川新聞に掲載された『大丈夫ですか?心と体』を当院ホームページ用に再構成したものです
 

 

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