膝前十字靭帯損傷

              
   
          
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 運動するとき、膝を安定させる役目をはたすのが膝の関節の中にある膝前十字靭帯です。今回は、その損傷についての話です。
 
 サッカー、バスケットなどのプレー中に「転倒」「方向転換」「着地」などでひざを強く捻り、膝がガクッと外れて損傷することが多いようです。主な症状は「膝がグラグラする」「膝に力がはいらない」「膝が完全に伸びない」など。数分間、激痛で動けないことがあります。その場合は、時間が立つにつれて関節に血液がたまり、膝が腫れてきます。通常は時間の経過とともに痛みや腫れは改善します。ほぼ2から3週間で日常生活に支障がないレベルに回復し、真っ直ぐ走る程度はできるようになります。
 しかし、膝前十字靭帯は一度損傷するとほとんど治癒しません。時間経過にともない痛みが良くなっても、靭帯は緩んだままです。緩んだままの状態で、ジャンプ、着地、ダッシュ、ターン、ストップなど急激なスピードの変化を必要とするスポーツを行った場合、膝がずれ、その衝撃で転倒する「膝崩れ(前方回旋亜脱臼)」を起こす可能性が高くなります。

 損傷は膝のエックス線撮影ではほとんどみつかりません。しかし、専門医が手で触って「膝崩れ」の兆候があれば、治療方針を立てるためMRI(磁気共鳴画像装置)検査を行う必要があります。そのまま治療せず「膝崩れ」を繰り返していると、軟骨や半月板にも損傷を引き起こします。その結果、膝の変形を招き、痛みと腫れを主症状とする膝の老化(変形性膝関節症)に移行していきます。
 
 膝前十字靭帯の損傷を治し、スポーツに復帰するためには手術が必要です。手術は損傷した靭帯を縫合するのではなく、靭帯の代わりとなる腱を他の部位(太ももの裏にある半腱様筋腱など)から採取し、靭帯を作り直す靭帯再建術を行います。
 入院はおよそ10日程度ですが、松葉杖なしで歩いて帰れます。リハビリの目安として、ジョギングの開始は手術から約10週後。種目特性の練習ができるようになるのは6か月後。8か月でゲーム復帰を目標にします。
 復帰には時間が必要ですが現在はどの年齢、スポーツレベルにかかわらず安定した手術成績を得ているので、「膝崩れ」を起こしながスポーツをすることがないよう手術を受けることをお勧めします。
 
(著者:平沼 憲治 H27.3.31まで在籍)        
 
こちらの特集は神奈川新聞に掲載された『大丈夫ですか?心と体』を当院ホームページ用に再構成したものです

 

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