肩関節脱臼

            岩噌弘志
           
   
          
        スポーツ整形外科 部長 岩噌 弘志
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 腕を後ろにもって行かれるような強い力が加わると、肩の関節が外れてしまうことがあります。これが肩の脱臼です。自分で外れた関節を戻せる程度を「亜脱臼」、他人に戻してもらわなければならないのを「脱臼」といって区別しますが、本質的には同じ外傷です。今回は「肩関節脱臼」についてお話します。

 「肩関節脱臼」は、肩を強打して肩関節の上にある鎖骨と肩甲骨がずれる「肩鎖関節脱臼」と混同しやすいですが、別の外傷です。肩の関節が(亜)脱臼すると、そのときに関節が外れないように支えている関節包(関節を覆っている袋状のまく)が損傷します。関節が元の位置に戻れば痛みも徐々におさまり、関節も動くようになってスポーツもできるようになります。しかし、治癒はしても、関節包には”緩み(伸びること)“が残ることが多いので、同様の力が加わると、関節はまた外れてしまいます。それを繰り返しているうちに関節包緩みは損傷に進み、簡単な力で外れてしまうようになります。

 脱臼の整復方法はいろいろありますが、現在は患者を寝かせ、腕をゆっくり持ち上げて関節を元に戻す方法が行われています。このようにすると痛みも少なく簡便なことが知られています。また「肩関節脱臼」後、癖にならないようにするには三角巾などで3週間程度固定するとよい、といわれていました。こうすると肩関節を内旋位(手がおなかの前にある姿勢)で固定することになります。
 しかし、再発率は20歳以下で80%、20歳~40歳で60%、40歳以上で16%と報告され、この姿勢では損傷した関節包は治りにくいことが分かってきました。そこで最近は外旋位固定(脱臼した側の腕のひじを体の脇につけ、「前へならえ」の姿勢を想像してください)を行います。損傷した関節包の緩みが治るため、この固定法より、再発率が低くなります。初めての脱臼や数回程度までなら効果が上がると注目を浴びています。
 このような治療法を行っても、脱臼を繰り返す場合は、関節包の手術が必要になります。
 最近は内視鏡を用い、7mmぐらいの小さい傷だけで行える手術もあります。是非一度、専門医に相談されることをお勧めします。
こちらの特集は神奈川新聞に掲載された『大丈夫ですか?心と体』を当院ホームページ用に再構成したものです

 

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